マイクロ流体技術を用いたスフェロイド生成
古典的な実験では二次元細胞培養が行われますが、生体内の状態をより忠実に再現するためには三次元細胞培養(3D細胞培養)を行うことが必要です。この新しいアプローチは、動物実験を大幅に削減することによって、命を守り、コスト削減しつつ研究期間を短縮することができると期待されています。
このような生体内微小環境を再現するラボオンチップデバイス等を用いるアプローチは、がん個別化医療や再生医療の普及に貢献します。
マイクロ流体チップやドロップレットジェネレーターによって作製されたドロップレット(液滴)を用いる手法は、精度よく、効率的に三次元培養を行うことができることから、注目されている手法の1つです。ドロップレットマイクロ流体技術を用いて大量の細胞をゲルに内包・カプセル化し、そのドロップレットをインキュベーションすることによって腫瘍スフェロイド、幹細胞スフェロイドやオルガノイドなどを生成することが可能です。
参考文献
- Khan, Anowar H et al. “Generation of 3D Spheroids Using a Thiol-Acrylate Hydrogel Scaffold to Study Endocrine Response in ER+ Breast Cancer.” ACS biomaterials science & engineering vol. 8,9 (2022): 3977-3985. doi:10.1021/acsbiomaterials.2c00491
- Mazutis, Linas et al. “Single-cell analysis and sorting using droplet-based microfluidics.” Nature protocols vol. 8,5 (2013): 870-91. doi:10.1038/nprot.2013.046
- Tang et al., “Induction and differentiation of human induced pluripotent stem cells into functional cardiomyocytes on a compartmented monolayer of gelatin nanofibers.” Nanoscale, 2016, 8, 14530. DOI: 10.1039/c6nr04545f
- Tian Y, Hu R, Du G, Xu N. Microfluidic Chips: Emerging Technologies for Adoptive Cell Immunotherapy. Micromachines (Basel). 2023 Apr 19;14(4):877. doi: 10.3390/mi14040877. PMID: 37421109; PMCID: PMC10145949.
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