マイクロ流体液滴技術(マイクロドロップレット技術、Droplet Microfluidics)とは、
互いに混ざらない2種類の液体(例:水相と油相)を用いて微小な液滴(ドロップレット)を生成する技術です。液滴内で反応を行うことで、ハイスループットに化合物を合成したり、スクリーニングすることが可能となります。マイクロ流体液滴技術は、バイオロジーや医療の分野での診断や治療のための新しいソリューションを提供し、次世代のハイスループットスクリーニングやマイクロシステムのプラットフォームとして期待されています。
液滴(ドロップレット)生成
液滴(ドロップレット)は、互いに混ざらない2種類の液体(例:水相と油相)を使用して生成され、連続相(液滴が流れる媒体)と分散相(液滴本体)に分離されます。生成される液滴のサイズは、流量比、界面張力、流路形状等によって制御されます。液滴(ドロップレット)を生成する装置は、ドロップレットジェネレーター(droplet generator)と呼ばれます。
マイクロ流体液滴技術の主な利点
- ハイスループット
大量のドロップレットを迅速に生成・操作できるため、効率的な実験が可能になります。 - 高精度・再現性
ドロップレットのサイズ、内容物や反応条件を正確に制御できるため、再現性の高い実験が可能になります。 - 区画化・マイクロリアクター化
各ドロップレットは独立した反応場として機能し、内容物を保持したままドロップレット毎に異なる反応を同時進行させることが可能です。 - 高効率・高感度
ドロップレット内の反応は、微小な体積で行われるため、反応速度が速く、検出感度も高まり、効率的です。 - 少量化・小型化
ドロップレット生成は、微小なスケールで行うため、使用するサンプルや材料も少量となり、デバイスや装置の小型化も可能です。
主な応用分野
- 分子検出
ドロップレットを用いて高感度で迅速な分子検出が可能となります。
例:PCR分析、酵素動態、タンパク質結晶化研究 - イメージング
高品質なマイクロバブルや蛍光ナノ粒子の生成が可能です。
例:超音波画像のコントラスト向上、蛍光プローブの合成 - 薬物送達(DDS)
均一なサイズの薬物キャリアの生成が可能です。
例:エマルション、マイクロカプセル、マイクロゲルの生成 - 分析・検査
ミニチュア化された検査プラットフォームの開発に応用が可能です。
例:PCRデバイス、酵素アッセイ、細胞培養 - 細胞生物学
単一細胞(シングルセル)研究における新しい可能性を広げています。
例:ハイスループットスクリーニング、シングルセルアッセイ、人工細胞モデル
マイクロドロップレットジェネレーター (Microfluidic Droplet Generator)μ-Droplet NTSは、送液系に無脈動マイクロ流体ポンプシステムと精密マイクロ流路チップを標準採用しており、マニュアル操作では実現の難しいハイスループットで高品質・高再現性のドロップレット生成を可能にします。
>>マイクロドロップレットジェネレーター (Microfluidic Droplet Generator)μ-Droplet NTSの詳細
参考文献
- Chou W-L, Lee P-Y, Yang C-L, Huang W-Y, Lin Y-S. Recent Advances in Applications of Droplet Microfluidics. Micromachines. 2015; 6(9):1249-1271. https://doi.org/10.3390/mi6091249
- Fasciano S, Wang S. Recent advances of droplet-based microfluidics for engineering artificial cells. SLAS Technol. 2024;29(2):100090. doi:10.1016/j.slast.2023.05.002
- Nisisako T, Torii T, Higuchi T. Droplet formation in a microchannel network. Lab Chip. 2002;2(1):24-26. doi:10.1039/B108740C.
- Ren C, Lee A. History and Current Status of Droplet Microfluidics. In: Ren C, Lee A, eds. Droplet Microfluidics. Royal Society of Chemistry; 2020:1-14. doi:10.1039/9781839162855-00001.
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